五福風流街商栄会では、会員の商売繁盛・意識向上のために、ワークショップを開催しています。
お互いの店舗・企業を訪れ、それぞれ商売の工夫やコツを話してもらい、自店・自社にフィードバックすることを目的としています。
平成25年度は、下記の4店舗を訪問し研鑽を積みました。以下はそのレポートです。
第1回 ● 源ZO-NE(上村元三商店)
今年から新しく「赤うしオイルフォンデュ」で店作り・客作りを始めた「源ZO-NE」さん。
阿蘇の赤うしを熱いオイルで軽く揚げていただくメニューで、スイス発祥の料理。阿蘇とスイスに共通点があり、海外からの観光客も好んで食べそうだという発想から導入に至った。
さらに「源ZO-NE」さんオリジナルのプラスアルファがあり、馬肉や辛子蓮根などもオイルフォンデュでいただく趣向。みんなで同じ鍋をつつくような感じで、会話が弾む料理だ。
店主・元三さん曰く「僕は料理は上手じゃないけど、美味しいお店はたくさん知っている」。得意を生かしたメニュー作りで、新規客を増やしている。(H25.11.13)
第2回 ● 川上酒店
熊本県産の日本酒・焼酎・ワインの販売に力を入れている「川上酒店」さん。
県産酒を広く知ってもらうため、試飲体験を受け付けている。数種類のお酒を飲み比べできるほか、店主・川上靖さんによるお酒のうんちくが聞けるのは、日頃から酒造メーカーと深くお付き合いをしているからこそ。
「お酒を日常的に飲むのは日本の全人口の1/4に満たないかもしれないが、贈り物として買うという人は相当数いる。そんな人に頼ってもらえるようなお店にしたい」という川上さん。そのため、川上さん自身は唎酒師(ききざけし)、奥さんはワインのコンセイエの資格を取得。着実に顧客を増やしている。
後日談だが、このワークショップの数日後、県産のワイン「菊鹿」が福岡のテレビ番組で取り上げられ、放送直後から発注・問い合わせが相次いだ。これも普段から「熊本の酒」を主張し続けてきた賜物だと思う。(H25.11.27)
第3回 ● 鳥丸八十七商店
大正時代からこんにゃく一筋で営業している「鳥丸八十七商店」さん。
商栄会の中でも多くの従業員を雇用している企業のひとつで、取引先は全国に渡っている。廉価なこんにゃくがスーパーに出回る一方で、確かな味で販路を拡大、最近では「博多リバレイン」でも販売されるようになった。
顧客の注文に細かく対応できるのが特徴で、サイズやカット方法、容量などさまざまなリクエストに応えている。
新商品の開発にも余念がなく、サラダ感覚で食べられる「プリッコ」や、馬のすね肉を入れた「馬かぁ~おでん」、炒めるだけの味付きこんにゃく「マンナンカルビ」「マンナンパスタ」などを実現。
商品開発やパッケージデザインなどは鳥丸専務が陣頭指揮をとり、展示会や商談会などにも自ら乗り込む。熱意を伝えるプロデュース力は参考にしなければならない。(H26.3.19)
第4回 ● はかりや
明治創業のはかり専門店「はかりや」さん。重さ、長さ、温度、塩分などあらゆるものを図る(計る、量る…)道具が揃う老舗。
老舗とはいえ、商栄会でいち早くインターネットによる通信販売を手がけたお店。ホームページを自作し、全国からの注文に対応している。
一般顧客というよりは小規模事業所からの注文が多いようで、飲食店から料理用温度計、スポーツジムから身長計、病院から赤ちゃん用体重計、など、通常のホームセンターなどには無いちょっと特殊な商品が売れ筋なのだとか。
ただしインターネット通販といえども、ホームページに商品を掲載していれば売れるというわけではなく、顧客が知りたそうな情報を細かく掲載したり、写真や動画で紹介したり、検索エンジン対策を施したりと、工夫は絶えない。
商栄会の店主世代はとかくITを敬遠しがちだが、これからはそうも言ってられず、「はかりや」さんにはまたご教授願わなければならなそうだ。(H26.3.26)