■古い町屋が2つのお店に
キャンドルや和ろうそくの専門店「キャンドルハウス」と、隠れ家的町屋バー「源ZO-NE」(げんぞーん)は、たびたびテレビや雑誌に取り上げられたり、城下町まち案内のコースに組み入れられるなど、古町界隈のちょっとした名物スポットです。
■暮らしに灯りを「キャンドルハウス」
奥様の敏子さんが平成2年(1990)に始めたキャンドル専門店「キャンドルハウス」。
熊本でいち早くキャンドルクリエーターとしての修業をし、ギフト用キャンドルやブライダルキャンドル、キャンドルを使った店舗ディスプレイなどオリジナル作品を手がけ、平成15年(2003)、キャンドルクラフト賞を受賞。
現在でも、店頭で国内外のキャンドルやオリジナルキャンドルを販売するほか、「くまもと工芸会館」(南区川尻)で月1回のキャンドル手作り教室の講師を務めたり、イベントや施設に出張してキャンドル手作り体験を企画したりしています。
なかでも「くまモン」キャンドル作りは幅広い年齢層に人気だそうです。
(写真左・中)自分だけのオリジナルキャンドルを作る体験教室(撮影/team P-shot)
(写真右)バリエーション豊富なくまモンキャンドル
■何が出るかお楽しみ「源ZO-NE」
ご主人の元三さんは、本業の「企画屋」(出張バーベキュー)で県内各地を飛び回りながら、「源ZO-NE」を開店。
冬限定居酒屋として平成14年(2002)にオープンしましたが、現在ではその業態は七変化!
- 予約制居酒屋
- 季節限定ちょいとバー
- 期間限定カフェ
- 臨時開店スポーツバー
- イベント会場(日本酒の会、ワインの会、チーズの会、餅つき、etc.)
- レンタル厨房(貸切)
- ミニシアター(貸切)
とにかく楽しいことが好きで熊本が好き、和服を身にまといながらラテンの血が流れる元三さん。その周りにはたくさんの面白い出来事や人物が集まってきます。
まち案内のツアーガイドもしてくれますので、古町を体感したい人はまずここを訪れるといいでしょう。
■なにもかもひっくるめて「上村元三商店」
今は「キャンドルハウス」と「源ZO-NE」となっているこの町屋は、それまでは「上村元三商店」という金物店でした。
初代は、明治・大正に万町で繁盛していた老舗「久野金物店」で修業、昭和30年(1955)にその「久野金物店」が廃業したのを引き継ぐ形で、昭和31年(1956)に金物店「上村元三商店」を設立。
当時の住まいだった魚屋町の家と、その隣にあった石鹸店を1軒にして、初代と2代目、親子で切り盛りしていくことになりました。主な取り扱い商品は建具の金物(レールやちょうつがいなど)、刃物など。
ちなみに、店名は当時のお得意先からのアドバイスによって付けたとのこと。昭和33年(1958)に2代目に長男が誕生し、店名そのまま「元三」と命名、これが現在の元三さんです。
昭和52年(1977)にはその元三さんも家業に就職しましたが、
結婚
↓
「キャンドルハウス」開店
↓
「家庭内脱サラ」をして「企画屋」設立
↓
「源ZO-NE」開店
と、時代に合わせて業態を変化。「上村元三商店」はこれからも進化を続けることでしょう。